
展示会プロデュース
活動期間/2008-2019
協同組合福岡・大川家具工業会との家具の新商品開発を目的とした産学連携プロジェクト
背景
2012年、協同組合福岡・大川家具工業会は設立50周年を迎え、その記念事業のひとつとして本学と商品企画・開発を目的としたプロジェクト活動を開始しました。大川との連携は、家具デザインを志向する学生にとって、実務を体験、学習するよい機会になり、大川にとっては学生の新鮮な感覚、発想から新しい商品のアイデアを探索するとともに将来の家具産業に貢献できる人材の育成、発掘が期待されました。
EXHIBITION
2008
博多織プロモーションⅠ
2009.2.10(火)-2.14(土)
九州産業大学アートギャラリー








概要
博多織は福岡を代表する伝統的工芸品で、7 0 0 年以上の歴史がある伝統産業です。活動の目的は、「着物離れ」による和装需要の低下の中で、博多織の魅力を多様な媒体や作品を通して情報発信し、プロモーションすることです。プロジェクトコンセプトを「観て、触れて、感じる博多織の未来」に定め、九州産業大学芸術学部と博多織工業組合、博多織の後継者育成を目的に設立されたN P O 法人博多織デベロップメントカレッジが連携して博多織プロモーションが始まりました。







活動
メンバーは芸術学部F D 委員の教員が中心になり、重要無形文化財献上博多織技術保持者(人間国宝)である小川規三郎客員教授を顧問に迎え、学部2 年生から大学院生までの学生5 0 名( 美術学科2 0 名、デザイン学科1 0 名、写真映像学科2 0 名) 、博多織デベロップメントカレッジより3 名の学生が参加しました。



EXHIBITION
2009
博多織プロモーションⅡ
2010.3.25(木)-3.30(火)
福岡アジア美術館交流ギャラリー






概要
博多織プロモーションの2 年目の活動であり、博多織を多くの人に見てもらい、歴史( 伝承) と現今、代表的パターンとその意味、織元の現状や産業としての将来などを周知する目的で、「情報発信」をテーマに設定しました。本プロジェクトは、学生主体の協同研究活動であることから、相互の意思疎通や情報交換などきめ細かな調整を行うために、2 週間に1度のリーダー会議、1ヶ月に1度の全体会議を定例会とし、学生が意見を出し合いながら同じ目標に向かって活動しました。



EXHIBITION
2010
博多織プロモーションⅢ
2011.3.8(水)-3.13(日)
九州国立博物館1階スペース








概要
博多織プロモーションの3 年目は、博多織の歴史とその魅力を伝える映像コンテンツ、これからの博多織を担う若い織師を主人公にしたドキュメンタリー映像など、写真や映像による表現が飛躍的に拡大しました。また商品開発では献上柄をあしらった有田焼の器や博多織の生地を生かしたランチョマットやポーチなどの生活雑貨が注目されました。これらの活動成果をより多くの人に観てもらうために、成果展示を九州国立博物館1 階エントランスホールで、映像作品の上映をミュージアムホールで行いました。









特徴
会期中、本学の客員教授で人間国宝の小川規三郎先生による「献上博多織の心」というテーマの講演や「博多織ブックマーク作り」のワークショップを初めて実施しました。





EXHIBITION
2011
博多織プロモーションⅣ
2012.2.18(土)-3.29(日)
JR博多シティアミュプラザ博多3F








概要
2 0 1 1 年度の博多織プロモーションより、企業と連携した商品企画・開発が本格化し、博多織の帯や久留米織の半纏などが商品化され、博多織のほか伝統産業を中心に、大学としての地域貢献の役割が明確になりました。その結果、プロジェクト活動も多様化し、参加学生数が増えてきたことで、活動成果の展示をこの年から繁華街の商業施設に移し、J R 博多シティアミュプラザ博多3 階センターコートで最後の博多織プロモーションを開催しました。







特徴
この年の特徴は、久留米織メーカーである宮田織物と連携した「H a n t e n R e v a l u a t i o n ( 半纏の再評価) 」です。このプロジェクトには芸術学部の色々な学科から学生が参加し、2 0 種類以上の新しい半纏を提案しました。会場では半纏の展示を中心に、写真や美術学科による吊りバナーが華やかな空間を演出し、大勢の来場者で賑わいました。






EXHIBITION
2012
地域産業プロモーションⅠ
2013.2.26(火)-3.4(月)
天神イムズB2Fイムズプラザ





概要
博多織プロモーションとして始まった芸術学部のプロジェクト活動は、博多織以外の伝統産業や企業との連携に発展したことから、2 0 1 2 年度よりプロジェクト名を「地域産業プロモーション」に改称しました。この年から大川家具工業会と連携した「大川プロジェクト」や博多人形商工業協同組合と連携した「博多人形再生プロジェクト」などがスタートしました。また、九州産業大学ではプロジェクト活動の進展によって、大学の実践教育の方針として「 K S U プロジェクト型教育」を提唱することになりました。




特徴
大川プロジェクトや博多人形再生プロジェクトのほか、芸術学部と工学部が連携した「フォーミュラカー開発プロジェクト」や「ロボット開発プロジェクト」の成果展示とともに、2 0 1 1 年3月1 1 日に発生した「東日本大震災」の支援活動である「希望の明かりプロジェクトなどは、2 0 1 2 年より「プロジェクト展」という名称で活動成果を展示・公開しました。





EXHIBITION
2013
地域産業プロモーションⅡ
2014.2.20(水)-3.1(土)
天神イムズB2Fイムズプラザ








概要
地域産業プロモーションと改称して2 年目の活動は、福岡、糸島、大川、宗像の企業や工房との連携活動に展開している。展示会のメインテーマは「芸術の力」であり、芸術の力でいかに地域産業を振興するかが課題でした。展示では写真映像による「糸島の若き挑戦者たち」や「技 受け継がれるものー」、博多人形のプロモーションビデオ制作、博多織の「タテイトプロジェクト」や「輝糸プロジェクト」、地域産業の魅力を子供達に体験を通して知ってもらう「ちびっこプロジェクト」など、新しい活動が始まった時期でした。









特徴
博多人形再生プロジェクトでは、若い世代に受け入れられる商品開発を目的に学生の感性を生かした新しいデザインの美人物、童物が提案され、童物の一部は商品化されました。また大川プロジェクトでは、女性目線のミラーレス鏡台などが注目されその後、商品化されています。





EXHIBITION
2014
九産大プロデュースⅠ
2015.2.19(木)-3.4(水)
天神イムズB2Fイムズプラザ








概要
芸術学部では、地域企業との産学連携プロジェクトと並行して、学内の理工学部や商学部など学部を横断したプロジェクト活動として、自動車開発やロボット開発、東日本大震災の支援活動などを実施しました。その活動成果は、「プロジェクト展で展示・公開していたが、2 0 1 5 年より「地域産業プロモーション」と「プロジェクト展を合体し、九州産業大学のプロジェクト活動を「九産大プロデュース」と命名し、天神イムズという集客性に優れた会場で展示・公開を行いました。九産大プロデュース1 には、学内から芸術学部、工学部、情報科学部、経営学部、学外から地域企業のほか自治体や研究機関など4 0 団体が参加しました。会期中は新聞社やテレビ局などの取材があり、社会からの関心の高さを伺えました。









特徴
九産大プロデュース1 から始まった活動に、八女福島燈籠人形背景幕の修復制作や九州産業大学ヒューマンロボティクス研究センターの研究成果、K S U ショップ展開、福岡県工業技術センターインテリア研究所と連携したデザインブラシュアップ活動などがあります。また企業と連携して商品化されたものを会場でテスト販売するK S U ショップの展開もこの年度から始まっています。





EXHIBITION
2015
九産大プロデュースⅡ
2016.2.18(木)-3.6(日)
天神イムズB2Fイムズプラザ








概要
九産大プロデュースの形式や方法などが定まり、社会からの認識が定着した時期です。この頃から、集客性や展示内容の社会的な評価が重要なテーマとなり、集客性については週末に小学生や親子を対象にした八女手漉和紙によるオーナメント制作や大川家具メーカーによる木工細工のワークショップを開催し、社会的な評価については来場者アンケート調査やK S U ショップでの販売額、数量等により検証しました。会場では地域企業との連携から生まれた博多織、博多人形、大川家具や生活雑貨のほか、三輪バギーやテクノトイなど学部連携の活動成果を展示・公開しました。









特徴
会場で来場者の注目を集めたものは、大川市をP R するオリジナル商品、大川家具や博多織のP R を目的に、家具に映像を投影したり、博多織の着物と帯を自由に組み合わせて着付けをアレンジするプロジェクションマッピング映像です。また、大川プロジェクトの成果物である恐竜の形をした学習デスクは、子供だけではなく幼稚園など学校の先生にも好評でした。週末に開催した2つのワークショップは、順番待ちがでるほど盛況で
した。





EXHIBITION
2016
九産大プロデュースⅢ
2017.2.23(木)-3.5(日)
天神イムズB2Fイムズプラザ








概要
2017年度の九産大プロデュースは、天神イムズで開催をはじめて5年目になりました。この年は展示会のメインテーマを「あったらいいな、を可視化する。」に設定し、大川家具や久留米織、博多人形や博多織の新商品、宗像赤間宿や久留米石橋文化センターを中心とした地域振興策の提案、八女福島の灯篭人形背景幕修復事業、時代の要請に応える介護・福祉ロボットの開発など、展示アイテムが100点を超えるようになりました。








特徴
九州産業大学では、学部横断で介護・福祉ロボットをH R R C ( ヒューマン・ロボティクス研究センター) で研究・開発を行っています。この年の展示では、研究センターの成果として、医療・介護現場の革新を目指す歩行訓練ロボットや起立訓練ロボットなど5 種類のロボットを展示しました。また、工業技術センターと久留米織の光延織物と連携して開発した久留米織ポンチョは、テスト販売でも人気でした。このほか、この年から卒業記念品プロジェクト( 博多織の名刺入) 、博多伝統職の会プロジェクト( 博多独楽) が始まりました。





EXHIBITION
2017
九産大プロデュースⅣ
2018.2.22(木)-3.4(日)
天神イムズB2Fイムズプラザ








概要
九産大プロデュース4 では、展示会場の中心に外装に布地を使った小型モビリティ(3輪バイク) を展示し、展示会のアイキャッチになりました。会場エントランスにK S U プロジェクト型教育を象徴するモニュメントを設置し、展示会のテーマである「こころ、つなぐ、とき」を視覚的に表現しました。またおしゃれな雰囲気を演出するために、会場にマルシェ用パラソルを配置し、上質な空間を創出しました。地下1 階に開設したK S U ショップでは、博多人形や尾崎人形、博多張子やガラス雑貨など、この年に開発した商品のテスト販売を行いました。





特徴
会場には「大川プロジェクションマッピング」、「キャラクター対話型接客コンテンツ」、「地域をテーマにした子ども向けT V ゲームの3 つの映像コンテンツを配置し、来場した子どもたちに好評でした。卒業記念品プロジェクトは2年目になり、小倉織の名刺入を制作して会場に展示し、その上質な仕上がりに関心を持つ来場者が多いのが印象的でした。


EXHIBITION
2018
九産大プロデュースⅤ
2019.2.21(木)-3.3(日)
天神イムズB2Fイムズプラザ








概要
九産大プロデュースのテーマは「つどう s e l f - m o t i -v a t e d 」です。展示会場では、八女福島の灯篭人形背景幕修復事業5 年間の歩みを写真作品として展示しました。継続するプロジェクトのほか、九州の特産であるい草の利用拡大を目的とした「い草プロモーションプロジェクト」、香椎宮と連携して「あやむすび」という腕輪型のお守り、歳時ポスターの制作などソーシャルデザインの視点から新しいプロジェクト活動が始まりました。このほか、⾧住大通り商店街と連携した街のブランド化活動、博多人形関連では「ハカタオフクプロジェクト」、「桃花再生プロジェクト」、「博多人形雑貨プロジェクト」が活動しました。









特徴
「ハカタオフクプロジェクト」は、博多人形が観光大使となって福岡市内の企業をP R するという活動で、明太のふくやなど1 0 企業のブランドイメージを博多人形に表現しています。会場では展示した博多人形の人気投票をデジタルサイネージで入力する仕組みを取り入れました。




EXHIBITION
2019
九産大プロデュースⅥ
2020.2.20(木)-3.1(日)
天神イムズB2Fイムズプラザ








概要
2008年に福岡の伝統工芸品「博多織」の振興を目的にした博多織プロモーションは、本学の建学の理想「産学一如」( 産業と大学は、車の両輪のように一体となって、時々の社会のニーズを満たすべきでる) の実現を目的に始めた活動です。その後、プロジェクト活動に参加する学生や地元企業、自治体や関連団体が増え、活動の規模や役割は益々、拡大し重要になってきています。2012年より活動成果の公開・展示を天神イムズで行うようになり、来場者が拡大に増加し、会場の展示や販売、ワークショップ活動などを通して、本学の活動を広く知ってもらうことができました。「九産大プロデュースは活動開始から12年が経過し、産学一如実現のひとつの方向性を示すことができたと考えています。









特徴
会場の入り口に、2019年6月8日、9日に福岡市で開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議の会場に展示された、参加国をモチーフにした「G20ハカタオフク」とその制作過程を映像化した作品が来場者を迎えました。このほか、地域振興を目的とした「太刀洗町プロジェクト」、「香椎宮プロジェクト」、「石橋文化アートセンタープロジェクト」が注目されました。




