卒業記念制作プロジェクト
活動期間/2016-2019
福岡の伝統的な織物を使った大学オリジナルの名刺入れの制作
背景
九州産業大学では2016年度より、学生と福岡の染織分野の伝統工芸が連携して開発したオリジナル名刺入れを、学位授与式のときに卒業記念として贈っています。
GRADUATION SOUVENIR PRODUCTION PROJECT
2016
卒業記念制作プロジェクト
活動内容と成果
2016年度のプロジェクトには10名の学生が参加し、博多織の老舗である西村織物株式会社と連携して、博多織の名刺入れを制作しました。制作にあたり西村織物の担当者から、博多織で織るための基本的な条件などの指導を受け、実際に工房やショールームを見学して、博多織の基礎知識を学びました。その後、スケッチやモデルを制作し、メンバー全員で何度も協議を重ねました。最終的に決定した七宝柄とモノトーンの配色は、20代の若年層でも仕事のシーンで使いたくなるような上質な仕上がりとなりました。
GRADUATION SOUVENIR PRODUCTION PROJECT
2017
卒業記念品制作プロジェクト
活動内容と成果
プロジェクトには8名の学生が参加し、有限会社小倉クリエーション( 現:小倉織物製造株式会社) と連携して、小倉織の名刺入れを制作しました。小倉織は、江戸時代の豊前小倉藩( 現在は福岡県北九州市) の特産品で、縦縞を特徴とした良質で丈夫な木綿布です。1984年、染織家の築城則子氏が復元し、 現在は小倉織物製造株式会社が小倉縞縞のブランドで多様な商品を製造・販売しています。制作の過程で染織家の築城則子氏の遊生染織工房を訪問し、築城先生から直接、小倉織の歴史や成り立ち、染織家としての矜持などを伺い、小倉織の縞模様を生かした名刺入れのデザインに取り組みました。完成した名刺入れは、学位授与式の前に天神イムズで開催した九産大プロデュース展で展示・公開し、大変好評でした。
GRADUATION SOUVENIR PRODUCTION PROJECT
2018
卒業記念品制作プロジェクト
活動成果と成果
プロジェクトには4名の学生が参加し、筑後染織協同組合および光延織物と連携して、久留米織の名刺入れを制作しました。久留米織は福岡県筑後地方の代表的な織物で、江戸時代から続く久留米絣を基に、明治時代の染織家である小川トク氏が創り上げた久留米縞として今日まで織られています。久留米織の繊細な糸で織られた風合いの良さと素朴な柄、色合いを、20代前半の若年層の嗜好に合わせるために、外側を本学のコーポレートカラーである臙脂色の単色で、内側を久留米織の独特な柄と鮮やかな配色の生地で制作しました。学位授与式では、名刺入れの制作過程と光延織物の光延社⾧のメッセージが映像で紹介され、普段は意識することがない久留米織を知る機会となりました。
GRADUATION SOUVENIR PRODUCTION PROJECT
2019
卒業記念制作プロジェクト
活動内容と成果
2016年に始まったプロジェクトは、福岡の代表的な織物、博多織、小倉織、久留米織の順にオリジナル名刺入れの制作を行い、2019年度は一巡して博多織に戻りました。この年は博多織メーカーの鴛海織物工場が展開するブランドHAKATA JAPANと連携して、モダンな博多織の名刺入れの開発を目指しました。2019年は、学生のオリジナルデザインに対して、HAKATA JAPANの鴛海伸夫社⾧、博多織屋次平の遠藤龍二氏、株式会社数寄屋の平田央氏、合同会社ライフサポートの松崎麻香氏など多くの外部協力者のもとで、博多織のスマートな名刺入れが完成し、2500人の卒業生に卒業記念として贈られました。